会社概要

隅田先生 隅田康夫

ご挨拶

 弊社は、2003年10月から2006年9月まで私がリーダーを勤めていました科学技術振興機構(JST)のプレベンチャー事業「シュガーチップの実用化」の成果を元として、 我々の技術を世の中に役立たせるために2006年9月に起業した鹿児島大学認定ベンチャーです。

 私たちの細胞の表面には糖鎖と呼ばれる多様性に富んだナノメータ-サイズの鎖状の糖が存在しています。糖鎖は特定の蛋白質と、または糖鎖同志とが互いに作用し、細胞へ情報を伝達することで、免疫などの生体反応に関与しています。また細胞の癌化やウイルス感染などにも関係することが分かってきたことから、ライフサイエンス分野における糖鎖科学が注目されています。

 しかし、分子レベルの研究には必須である構造が明確である糖鎖の確保には多大な労力と費用が必要となり、 研究を進めることが出来ない事が多々あります。私たちは、この問題を解決して糖鎖科学研究を飛躍的に進めるために、 構造明確な糖鎖をナノメータースケールで金属(金)チップに固定化したバイオデバイス「シュガーチップと「糖鎖固定化金ナノ粒子」の2つのツールを開発しました。そして、これらのツールを応用すれば、ウイルス粒子を捕捉濃縮精製することができることがわかり、インフルエンザやノロ、ヘルペス、口蹄疫などヒトや家畜のウイルス性疾患の高精度かつ迅速検査診断法を開発に成功しました。これら糖鎖ナノテクノロジー技術に基づいた開発研究を遂行するため、JSTや厚生労働省、農林水産省、AMED、鹿児島県や兵庫県から研究開発費を獲得しました。そして、研究成果の還元として2020年6月には新型コロナウイルスのPCR検査診断法として保険収載もされ、社会に貢献できております。

 今後も、公共財・社会貢献的なバリュープロポジションを基盤におきながら、 学術研究用・ヘルスケア市場向けの製品開発、あるいはパートナーにライセンスを提供しつつ「営利企業」として展開していきたいと考えています。